暗号理論入門 2.4〜2.6
- 作者: 林芳樹
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2012/04/20
- メディア: 単行本
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2.4 O記法とΩ記法
は自然数、 とする。 は関数であるとする。
となるすべての に対して、次のことが成立する正の実数 と が存在するとき、 と書く。( とも書く。)
- 、すなわち と が定義されていて、
- である。
が定数であれば と書く。
が成立するとき、 は高々 のオーダーであるという。
(正の実数C倍程度でf()とg()の大小関係が固定化するなら、オーダーは一緒ということか?)
2.5 加法、乗法、整除の計算量
と は2進展開で与えられている自然数であるとする。 の2進長を 、 の2進長を とする。
2つのbitの和が時間O(1)を必要と仮定すると、 と の和は実行時間を必要とする。
同様に から を実行時間で引くことができる。
は実行時間がかかる。
と で割って余りを求める除法は、時間を必要とする。ここで は商である。
2.6 多項式時間
一つのアルゴリズムに整数 を入力すると仮定する。
もし負でない整数 が存在し、アルゴリズムの実行時間が
であるとき、このアルゴリズムは多項式実行時間(polynomial running time)をもつという。
(アルゴリズムは指数 が小さいときのみ、実用上効率的といえる)