暗号理論入門 3.2〜3.3

- 作者: 林芳樹
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2012/04/20
- メディア: 単行本
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3.2 半群
が集合であるとき、
の元の任意の組
に1つの元
が対応しているような写像
を
上の演算子(operation)という。
剰余類 と
の和を
と定義する。
剰余類 と
の積を
と定義する。
空でない集合 と、
上の結合法則を満たす演算
の組
を半群(semigroup)という。半群はその演算
について可換であるとき、可換またはアーベル(abelian)であるという。
例. 、
、
、
は可換半群である。
半群 の単位元(unit element)は、任意の
に対して
を満たす元
のことである。半群が単位元を持てば、単位半群(monoid)という。
が半群
の単位元であり、
に対して
となる
が存在すれば、
は
の逆元(inverse)という。
が逆元をもてば、
は半群
で可逆(invertible)であるという。
3.3 群
群(group)とは、単位元をもち、かつ各元が可逆となる半群のことである。群はその半群が可換であるとき、可換またはアーベルであるという。
例. 半群 はアーベル群である。
半群 はアーベル群ではない。任意の元が逆元をもつとは限らないため。
群または半群の位数(order)とは、その元の個数のことである。
例. 加法群 は無限位数をもつ。加法群
は位数
をもつ。
3章は長いな...