隠れた人材価値
隠れた人材価値―高業績を続ける組織の秘密 (Harvard Business School Press)
- 作者: チャールズオライリー,ジェフリーフェファー,長谷川喜一郎,Charles A.,3 O’Reilly,Jeffrey Pfeffer,広田里子,有賀裕子
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2002/03
- メディア: 単行本
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サブタイトルは"How great companies achieve extraordinary results with ordinary people."
平凡な社員のすべての資質を生かしきり、卓越した成果を引き出して成功している企業について書かれている。
サウスウエスト航空、シスコ、SASインスティチュートなどが紹介されているが、共通しているのはやっぱり社員を信用していることだと思う。放っておいても顧客や会社のために自分でより良い判断を下すだろうと、管理・監視などは一切行わない。
AESは財務情報などを全て社員に公開しているため、証券会社からは社員全員がインサイダーと見なされているらしい。
同業他社が社内制度をそっくりに真似たとしても、経営陣が本当は社員を信用していなかったり、社員より短期的な利益を優先したりといったことが社員に伝わってうまく行かない。経営手法を真似ても価値観までは真似できず、社員中心の 会社にはそうそう変われないらしい。
日本の大企業は年功序列・終身雇用のおかげで、性悪説に基づいた申請・承認であるとか細かく管理された制度でも、いずれは報われると耐えてこれたと思うが、年功序列も終身雇用も崩壊した今、大企業の若い人達が厳しく働きづらい職場にいるのはもったいない気がする。